『その仕事、全部やめてみよう』遊び心×スピード×安定感の仕事術

その仕事全部やめてみよう

その仕事、全部やめてみよう』は2020年7月発売で新しくはないが、最近X経由で知った著者のnoteが興味深かったので、すぐに本書を購入して読み始めた。

note(ノート)
クレディセゾンでDXを進めてきた5年間を振り返る|小野 和俊 はじめに クレディセゾンに来てちょうど5年が経ったので、これまでの取り組みをまとめてみようかと思う。書き進めていくうちにとても長くなってしまったので、1年につき3...

小野和俊さんは、サン・マイクロシステムズ→ベンチャー起業→資本提携したセゾン情報システムズCTO→クレディセゾンCTOと、身を置く環境のふれ幅が大きい。肩書は『プログラマー×起業家×CTO』で、とても”強い”がエリートというより叩き上げだ。

セゾン情報システムズにベンチャーの文化を持ち込んで内製チームをつくり、早々にプロダクトをリリースし成功させた。さらに、その内製チームを、ベンチャーとは対極にある老舗企業の情報システム部門と統合させた。

僕は金融機関のシステム開発経験があるので、この話は特に興味深く読んだ。金融機関は安定志向でベンチャーとは水と油なはず。この2つを”文化的に”統合したのは奇跡にすら思える。

他にも興味深いエピソードは多いが、第4章『「To Stopリスト」をいますぐ作る』に出てくるプログラマー的な生産性を上げる方法の話は、いちいち頷きながら読みすすめた。くり返し処理、ペアプロ、バグの切り分け、オフィスの「遊び」(バランスボール、電動昇降デスク、曲面ディスプレイ)、会社に炊飯器など。どれもプログラマー的な”あるある”で、思わずにやける。

さらに次の章『職場は「猛獣園」である』で、プログラマーとしてのうなずきはピークに達する。

他にも、いろいろハイライトしたので、メモとして列挙しておく。

  • 方法論を乱用しない
  • ブロックチェーンを体験するためにビットコインを配布
  • ITは遊び心でできている
  • DCAP
  • あるものは使う。ないものは作る
  • これから来そうな技術は身につけ使うべき時が来るまで使わない
  • バイモーダル戦略
  • 稟議書の呪縛から逃れる
  • ラストマン戦略
  • 遊び人が賢者になる日
  • 無謀、勇敢、臆病
  • 最強のワンオブゼムになるな
  • エンジニア風林火山
  • To Stopリスト
  • 繰り返し処理を攻略する
  • 人は見られるとカッコつけ、集中し、柔軟性が高まり、ノウハウを提供する
  • ビールを飲むか、ワインを飲むか
  • トラブルの総合百貨店
  • 「一番近く」と「一番遠く」だけを見る
  • 会社に炊飯器を持ってきていいですか?
  • 職場は「猛獣園」である
  • ひよコード(ピヨピヨ)
  • 人を動かすコツは、相手を全力で理解すること
  • 俺がやったほうが早い病の治し方
  • 山田先生の教え

本書は終始、著者のプログラマー的な感性と遊び心にあふれ、どのエピソードも興味深く読ませてくれる。さらに、その文体から、プログラマーとしての遊び心や経営者としての厳しさは当然として、優しい人なのだろうと勝手に想像している。

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この記事を書いた人

中野 裕のアバター 中野 裕 なかの情報技術 代表

なかの情報技術代表・ITコーディネータ。2002年に上京。多数の金融機関でシステム開発を経験した後、札幌にUターンして独立。経営管理(管理会計)、受注管理、購買管理、工場等の設備管理など、独立後は広範囲の案件に携わる。「ビジネスとITをつなぐ」ために、両者のコミュニケーションギャップを解消するため走り回ることも多い。

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