札幌Uターン&個人事業開始10年をふり返り
2014年5月14日で前職(東京のソフトハウス)を辞めて、すぐに札幌で個人事業(システム開発業)の開業届を出した。それから10年経つが、多くの方々に支えていただいて、なんとか生き延びている。公私ともに、関わっていただいた皆さまには心から感謝いたします。
せっかくの10周年なので、これまでをふり返ろうと思う。
はじめに
前職を辞める数年前に仕事のストレスで休職したことがある。短期間で復帰したが、それを機に将来の仕事について考えるようになった。休職した当時は30代前半だったので、少なく見積もってもあと30年は働く。それまでと同じように、会社に言われるがまま身体を壊すような働き方は続けたくはない。しかし会社員でいる限りは、与えられた職務をこなすことが求められる。考えた結果、「健康に生活するには仕事の最終選択権を自分に取り戻さなければいけない」と思い、個人事業者になることを決めた。
個人事業開始と同時に札幌へUターンした理由は、高齢になった親の近くにいたいと思ったからだ(ったと思う)。父親は2021年1月に他界したが、その直前に少しだけ病院への送迎などの小さな小さな親孝行ができた気がする。
仕事
札幌でフリーランスエンジニアの案件紹介サービスに登録すると、仕事はすぐに決まった。個人事業でやっていけるのか不安だったので、とても安心したことを覚えている。他にも知り合いから仕事を紹介いただいたりで、幸運にもこれまで仕事がなくて困ることはなかった。
この10年の主な仕事(参画したプロジェクト)を列挙してみる。クライアントは東京が80%で、残りが大阪と札幌だった。
- 大手IT企業の社内システム開発
- 管理会計系システム保守
- 受注管理システム保守
- 購買管理システム更改
- 地元IT企業のサービス開発
- 港湾管理システムのプロトタイプ開発
- リースレンタル企業の次期システム開発
- 大学の文献解題データベース開発
- 味の素エンジニアリング(株)の社内ベンチャー
- 設備管理システム『PLANTAXIS®』
会社員時代は金融機関のシステム開発ばかりだったので、それ以外の業種のシステム開発を経験できたのは大きなプラスになっている。なお、5は業務委託として参画後、より深く関わるためにプロジェクト途中から契約社員として雇用契約となっている(継続中)。
コミュニティ
初めて「アジャイル札幌」に参加したのは2016年だったと思う。きっかけは覚えていない。アジャイルは言葉として聞いたことがある程度だったが、アジャイル札幌が開催する勉強会で基本から学ばせてもらった。しかも2019年には、札幌で認定スクラムマスターの研修を受ける機会に恵まれた。当時はオンラインで受講できなかったスクラムマスター研修を札幌で開催すべく、運営メンバーの1人が個人的に企画して実現した。また、アジャイル経験のない数名で、スピンオフ的に読書会を開いた。
2020年にはアジャイル札幌運営メンバーが中心になって「スクラムフェス札幌」を開催した。私も運営に誘っていただき、途中から手伝った。イベントはコロナ禍に翻弄されながら2022年まで3回開催され、2023年からは「スクラムフェスニセコ」としてリニューアルされた。残念ながら家族都合で2023年は参加していない。
プライベート
札幌に戻ってきた当時の楽しみの1つは、流行り始めていたクラフトビールを1人で飲み歩くことだった。実家から近く、たまたま見つけた飲み屋「マルヤマナイン」はUターン直後から10年通っている。オーナーやスタッフはもちろん、他の常連客らにも仲良くしてもらっている。
2020年、コロナ渦で「マルヤマナイン」も休業して飲み行く場所もなく退屈していた時に、マルヤマナインの常連客の1人に誘われて樽前山に登った。この経験から登山にはまり、2020年は羊蹄山、2021年は大雪山を目標に山に登り続け、2022年にはYAMAPの企画で大雪山の登山道整備ツアーに参加した。
特に新しい世界が開けた登山道整備ツアーのことはnoteに書いたので、時間がある方はぜひ読んで欲しい。
そしてプライベート最大の変化として、2022年に結婚し、2023年に子どもが生まれた。
これから
これまで10年間は、主に東京のクライアント様と仕事をさせていただいたが、今後は地元北海道にも貢献したい。私の技術や知識は特別に高いものではないが、IT担当者を置くことが難しい地方の中小企業に寄与できることは必ずある。
そのために今年2月から北海道中小企業家同友会に飛び込み、超零細個人事業主として経営者の方々に交ぜてもらい勉強させていただいている。これまで接したことのない業種の方々ばかりで、すでに多くの刺激を受けた。ちなみに異業種の方々には私の仕事をイメージしてもらえず自己紹介(事業説明)には毎度苦労しているが、3月に認定を取得したITコーディネータの肩書が少しだけ助けになっている。
プライベートは子供と過ごす時間を優先にしつつ、近いうちに登山も再開したい。そして子供が成人する時に私は64歳なので、次は10年×2を何とか健康に生き延びたいと願っている(切実)。
みなさま、今後ともよろしくお願いいたします。