【RSGT2023】スタッフチームでのアジャイルな経験

rsgt2023のwebサイトキャプチャ

2023.1.11-13に御茶ノ水で行われた Regional Scrum Gathering Tokyo 2023 (以下、RSGT2023)にボランティアスタッフとして参加してきました。スタッフ参加は昨年に続き2年連続2回目でしたが、今回も素晴らしい経験になったので共有します。

結論としては、RSGTや各地のスクラムフェスに何度か参加してるけど職場でアジャイルやスクラムに挑戦できない人にとって、スタッフ参加はアジャイルを体験する近道の1つだと思っています。

目次

RSGTとは

最初にイベントの趣旨を簡単に説明します。

Scrum Gatheringは、スクラムの普及と発展のために世界中のコミュニティ有志により開催されており、日本ではRegional Scrum Gathering Tokyoとして2011年から開催されています。

Regional Scrum Gathering℠ Tokyo ...
Regional Scrum Gathering℠ Tokyo 2023 12回目となるRegional Scrum Gathering℠ Tokyoは、2023年1月11-13日の3日間、御茶ノ水のソラシティカンファレンスとオンラインにてハイブリッド開催します。

プログラムは、いくつかのKeynote(基調講演、招待講演)とオープンプロポーザル(提案)によるトークやワークショップ、オープンスペーステクノロジー(その場にいる参加者による対話)、コーチズクリニック(アジャイルコーチによる悩み相談)など多岐にわたります。

スタッフチームでのアジャイルな体験

トランシーバーの配布

ボランティアスタッフの業務はRSGT2023開催前日の1/10PMからはじまりました。まずは全員で自己紹介をすませ、Tシャツとトランシーバーが配られます。トランシーバーは携帯電話の電波を利用するタイプで会場外でも使えます。自宅からオンライン会場(Discord)をサポートするスタッフも同じものを装着することで、現地とオンラインのスタッフがシームレスにつながります。

イベント開催中は、基本的にオーガナイザー(実行委員)を含むすべてのスタッフのすべてのコミュニケーションは、トランシーバーを経由してオープンに行われます。

パスを出し、受け続ける

トランシーバーでやり取りされる内容は、機材トラブルの報告や解決策の相談、手薄になった場所への応援要請、落とし物の共有、Discordに寄せられたスタッフへの要望や相談の共有など多岐にわたります。

これらのやり取りが素早く自由に自律的に繰り返されるので、僕はサッカーのパス回しをイメージしていました。

RSGTの準備から撤収まで常に状況が変化し続けている中で、スタッフチームは互いにパスを回し、周囲の状況を把握し、自分にできることを探して自分で判断して動き、判断できないことはトランシーバーで相談し、他のスタッフが動けばその行動をフォローする、それを繰り返します。

もちろん、このパスの輪に加わるのは簡単ではないので不慣れなスタッフは戸惑います。思い返すと、僕も昨年は中々パス回しに入れず、最初はテンポの良いやり取りを聞いているだけでした。今年は昨年の経験もあり、早い段階でパスの輪に加われたと思います。

アジャイルそのもの

スタッフチームはRSGT期間中トランシーバーでパスを回し続け、イベントのアウトラインをキープしつつ目の前の出来事を優先し、スピーカーやスポンサーを含むすべての参加者と協調しながら状況の変化を楽しみ、それらをイベントの価値としていたすごいチームだと思います。(自画自賛を含みます笑)

そして、これはアジャイルソフトウェア開発宣言を体現しているように見えます。

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ボランティアスタッフで得られた経験値は大きいと実感します。アジャイルやスクラムを学び続けているけど、職場にアジャイルを持ち込めず悶々としている人がいたら、スタッフ参加をおすすめします。ただし、いずれのイベントも公式に募集するかどうかわかりませんし、スタッフの枠は限られているため、希望そのためには、RSGTや各地スクラムフェスのオーガナイザーに直接アピールするのがいいと思います。

さいごに

ボランティアスタッフをやるには、お金も時間もかかりますが、練度の高いアジャイルチームで働くという他では得難い特別な経験ができます。万人には勧めませんが、アジャイルやスクラムを学んでいるけど職場への導入が難しい人には、その第一歩になるかもしれません。

ここまで読めばスタッフ参加の価値は十分理解されたと思いますが、実はウラの理由もあります。詳しくは昨年スタッフとして初参加した後にnoteに書いたので、良ければ読んでみてください。

note(ノート)
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この記事を書いた人

中野 裕のアバター 中野 裕 なかの情報技術 代表

なかの情報技術代表・ITコーディネータ。2002年に上京。多数の金融機関でシステム開発を経験した後、札幌にUターンして独立。経営管理(管理会計)、受注管理、購買管理、工場等の設備管理など、独立後は広範囲の案件に携わる。「ビジネスとITをつなぐ」ために、両者のコミュニケーションギャップを解消するため走り回ることも多い。

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